DWIBSとPET-CTどっちを選ぶべき?自分に合った検査を知ろう

DWIBSとPET-CTどっちを選ぶべき?

ほぼ全身のがんリスクを一度の撮影でチェックする検査として知られるDWIBS(ドゥイブス)とPET-CT。この2種類には異なる検査特性があり、どちらを選択すべきか迷うかも。そこで当記事では「こんな人はどっち?」のタイプ別に、検査特徴とメリット・デメリットを解説します。

DWIBSとPET-CT|それぞれの検査特徴

ドゥイブスとPET-CTはどちらも、全身の広範囲を一度の撮影で調べることができる検査です。どちらも大きなドーナツ型のスキャナーに横たわるイメージは似ていますが、その大きな違いは撮影の仕組み。両者を簡単に比較してみましょう。

 ▼PET-CT検査 

がん細胞は正常な細胞よりもブドウ糖を非常に多く消費し、盛んに分裂を繰り返す性質があります。PET-CTはこの性質を利用した検査です。

まずは、FDGというブドウ糖に似た検査薬を受診者の体内に投与し、全身に行き渡るまで安静にします。その後は、PET機器のベッドに横たわっているのみ。撮影した画像から、FDGが多く集まっている部位にがんが発生している可能性が高いと判断されます。

 ▼DWIBS(ドゥイブス/全身MRI検査) 

ドゥイブス検査では電磁気を受診者の体に照射し、水の動き(速度)見てがん細胞の有無を判断します。

正常な細胞同士は間隔が広いため水の動きが速いのですが、がん細胞同士は間隔が狭いことから水の動きが遅くなります。この水のスピードの違いからがん細胞を探すという仕組みです。

【選び方1】とにかく短時間希望ならDWIBS

PET-CT・ドゥイブス共に、30〜40分横たわっているだけで検査(撮影)が終わるというのは同じです。しかしPET-CTの場合、撮影前に検査薬を投与して待機する時間と、検査後の安静時間を含めると1時間半から2時間くらい必要となります。
とにかく短い時間で済ませたい方にはドゥイブス一択かもしれません。しかしPET-CTの場合でも2時間で、横になっているだけで全身検査が終わると思えば、大差ないとも言えそう。拘束時間以外の特長から選んでみてもよいですね。

なお、PET-CTで投与する検査薬FDGは少量の放射能を含む薬剤です。しかし被ばく量はCT検査よりも低いと言われています。メリット・デメリットを把握し、ご自身に合う検査を選択してください。

【選び方2】ペースメーカーや外せない金属を持つ方はPET-CT

ドゥイブスはMRIによる検査のため、心臓ペースメーカーや人工内耳を装着されている方、体内に金属プレートなどが埋め込まれている方、外せないピアスを装着している方は受けることができません。PET-CTは検査可能ですが、撮影画像に影響が出るケースがありますので、あらかじめ医療機関に申し出ておきましょう。
ただし近年では、一部のペースメーカーでMRI対応型のものがあります。ドゥイブス、PET-CTを問わず事前に受診機関へ伝え、少しでも不安なことがある場合は医師と相談のうえで検査に臨んでください。

【選び方3】胃・尿路系がんが不安ならDWIBS

検査薬FDGが多く集まる部位にがんが発生していると判断するPET-CT検査ですが、このFDGは活発に動く臓器に集まりやすいことから、早期の胃がんや前立腺がんの検査には不向きです。

また糖の代謝を見ているため、血糖値の高い方は診断精度が低くなることが考えられます。ドゥイブスはこれらのような、PET-CTが不得意である前立腺がんのリスク発見も得意としており、糖尿病治療中の方でも検査は可能です。被ばくがなく短時間で終わる検査のため、体への負担はほとんどないと言えますが、一方でドゥイブスが不得意な部分もあります。ご自身で不安がある部位、気になる疾患から選択するのもひとつです。

【選び方4】甲状腺・肺・大腸がんが不安ならPET-CT

PET-CTは、甲状腺がんや大腸がんの早期発見を得意としています。ドゥイブスは肺や心臓の病変検出が苦手とされていますが、PET-CTは肺がんの発見という初期診断だけでなく、再発や転移を診断するためにも用いられています。
PET-CT検査では、見つかった腫瘍が良性なのか悪性なのか、活性している細胞なのか否かまで判断することが可能です。

まとめ|ご自身が気になるポイントから検査を選びましょう
PET-CTとドゥイブスはどちらも横たわっているだけで、ほぼ全身の検査ができるため、がん検診を効率的に行いたい方におすすめです。検査の原理が異なるため、所要時間やがん発見を得意とする部位はそれぞれ異なります。検査のメリット・デメリットや禁忌事項なども確認したうえで、自身にあった検査を選んでください。

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