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PET検査とは、ブドウ糖を多量に摂取するというがん細胞の特性を利用した、「陽電子放射断層撮影装置（ポジトロン断層法）」を用いた検査です。体内にブドウ糖に似た検査薬FDGを投与したうえで全身を撮影し、多くのFDGを取り込んでいる細胞を探すことでがんを発見します。検査前にFDGを投与し、全身に行きわたるまで40～50分ほどゆっくりとしたら、あとは検査機器の上で横になっているだけ。撮影自体は30分程度で終わるという、受診者にとって非常に負担が少ない検査といえます。

FDGは放射性薬剤のため、医療被ばくがあります。ただし被ばく量は胸部CT検査の半分以下と、ごくわずかです。たった１本の注射だけで、肺がん、乳がん、頭頚部がん（咽頭、喉頭、甲状腺、舌）、大腸がん、膵臓がん、悪性リンパ腫などのリスクを一度に調べることができます。これらのがんの早期発見だけでなく、全身検査であることから遠隔転移や再発の有無も発見可能です。

受診者にとってメリットを豊富に感じていただけるPET検査ですが、一方で弱点もあります。FDGは肺炎や慢性甲状腺炎、胃炎などの炎症性病変、一部の良性腫瘍（甲状腺腺腫、耳下腺腫瘍の一部）などにも多く集まりますので、PET検査の撮影で確認できるものがすべて「がん」とは限らないこと、そして数ミリの非常に小さいがんを見つけられるとは言い切れません。またPET検査では胃がん、食道の表在がん、泌尿器系悪性腫瘍（腎臓、尿管、膀胱、前立腺）、肝細胞癌、白血病は見つけにくいものです。

これらをふまえ、PET検査で異常がなかったとしても、たとえば胃の内視鏡検査やバリウム検査などは定期的に受診することをおすすめしています。複合的に検査しておくことで、より早期発見を導くことが可能となるのです。

当クリニックではPET検査だけを行う「ベーシックコース」に追加できるオプション検査や、他の画像診断をセットした検査コースも複数用意しております。「スタンダードコース」では胸部から骨盤部までのCT検査や、腹部と甲状腺の超音波検査（エコー）、腫瘍マーカーを含む血液検査をセット。このスタンダードコースに上部内視鏡検査（胃カメラ検査）を追加したコースもあります。
気になる検査だけを単体で追加することも可能ですので、ご自身にとって不安を感じる部位がある場合など、まずはご相談ください。

PET検査前には放射線科の医師よりPET検査の内容、特徴について丁寧にご説明させていただくほか、既往歴や現病歴なども確認させていただきます。ご不安なことがありましたら何なりとご質問ください。
当クリニックは山陽電鉄「亀山」駅より徒歩８分。JR「姫路」駅南口よりバスに乗車いただくと「姫路中央病院前」からすぐの場所にあります。PET健診センターは姫路中央病院の本館と直結するクリニックの２Fです。ナチュラルな温もりを配した院内で、リラックスいただけるような空間づくりを心がけております。